1. カドミウム
2. 有機水銀
3. 鉛
4. ヒ素
2018-a006 水俣病の原因はどれか。
1. カドミウム
→ イタイイタイ病
2. 有機水銀
→ 水俣病、第二水俣病(新潟水俣病)
3. 鉛
鉛も蓄積により毒性を示し、急性中毒では嘔吐、腹痛、ショックなど、慢性中毒では主に消化器症状、神経症状が認められます。しかし、日本において特定認定された「公害」とはなっていません。
※ 米国では鉛中毒が問題視され、住宅における鉛含有塗料の使用を禁止している。
参考)特別リポート:NYに潜む危ない鉛汚染、子ども5400人が中毒に | ロイター
4. ヒ素
ヒ素中毒の症状は多岐にわたりますが、重篤な場合は代謝酵素の阻害により多臓器不全を生じ死に至ります。
ヒ素中毒の急性症状は胃痛、嘔吐、下痢、腎臓障害による無尿症、皮膚炎、粘膜の炎症などが現れ、重症の場合、循環障害や痙攣、麻痺などで死ぬこともあります。慢性症状では、皮膚の色素沈着、爪、毛髪の欠損,皮膚癌、多発性神経炎、貧血、肝臓障害などがみられる。あまり細かいことまで覚えなくても大丈夫ですが、ヒ素は猛毒ということです。
公害では土呂久砒素公害、事件では森永ヒ素ミルク中毒事件や和歌山毒物カレー事件などがあります。
解答 2
水俣病
水俣病は、メチル水銀(有機水銀)による中毒性の中枢神経系疾患です。工場などから河川や海に排出された有機水銀が、食物連鎖によってヒトが経口摂取することにより発生します。1956年(昭和31年)に熊本県水俣市で発見されました。
熊本県水俣市にあるチッソ水俣工場は、工業排水を水俣湾に排出していました。これに含まれていたメチル水銀が魚介類の食物連鎖によって生物濃縮し、これらの魚介類が汚染されていると知らずに摂取した不知火海沿岸の熊本県および鹿児島県の住民の一部に中枢神経障害が発症した「メチル水銀中毒症」です。
臨床所見
- 四肢末梢神経の感覚障害
- 運動失調
- 求心性視野狭窄
- 聴力障害
- 平衡機能障害
- 言語障害
- 振戦(手足の震え)等
四大公害病
代表的な公害病と原因物質の組み合わせは確実に抑えておきましょう。
- 水俣病
1956年(昭和31年)頃から熊本県水俣湾で発生した中毒性中枢神経系疾患。有機水銀による水質汚染や底質汚染を原因とし、魚類の食物連鎖を通じて人の健康被害が生じました。 - 第二水俣病(新潟水俣病)
1964年(昭和39年)頃から新潟県阿賀野川流域で発生した中毒性中枢神経系疾患。有機水銀による水質汚染や底質汚染を原因とし、魚類の食物連鎖を通じて人の健康被害が生じました。 - 四日市ぜんそく
1960年(昭和35年)から1972年(昭和47年)頃までの高度経済成長期に三重県四日市市で発生した都市公害。主に亜硫酸ガス(二酸化硫黄)による大気汚染(硫酸ミスト)を原因とする、気管支炎や気管支ぜんそくや咽喉頭炎など呼吸器疾患です。 - イタイイタイ病
1910年代から1970年代前半に富山県神通川流域で発生した奇病。カドミウムによる水質汚染を原因として、米などを通じて人々の骨に対し被害を及ぼした。多発性近位尿細管機能異常症と骨軟化症を特徴と、四肢・骨盤・脊椎・肋骨に変形・萎縮・骨折を来し、疼痛を伴います。
参考)内山 巌雄, 環境汚染物質としての金属と生体への影響, まてりあ, 2004, 43 巻, 8 号, p. 636-638,
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