流行性耳下腺炎 epidemic parotitis, mumps




概念

流行性耳下腺炎はRNAウイルスであるムンプスウイルスの飛沫感染による耳下腺炎で、「おたふくかぜ」と俗称される。耳下腺以外の臓器にも感染するがウイルスの増殖力が強くないので多くは不顕性感染に終わるが、稀に精巣炎や髄膜炎に発展することがある。

症状

有痛性の耳下腺腫脹を主訴とする。

検査所見

唾液腺の破壊を反映して血清アミラーゼが上昇する。

合併症
  • 髄膜炎
  • 膵炎
  • 精巣炎
    成人男性で多く、精巣炎自体は自然治癒するが両側性では男性不妊の原因になることがある。
  • ムンプス難聴 mumps virus induced hearing loss
    片側性の感音性難聴を後遺症として残すことがある。耳下腺腫脹が両側性であるにもかかわらず、難聴が片側性にとどまる理由はいまだ不明である。
治療

特異的な治療法はなく、ワクチンで予防するしかない。

参考)東洋療法学校協会編, 臨床医学各論 第2版; p.14(ウイルス感染症 – 流行性耳下腺炎)
参考)矢﨑 義雄 他, 内科学 第九版; p.287-288 (ウイルス感染症 – ムンプスウイルス)
参考)“ムンプスワクチンの有効性と安全性.” 国立感染症研究所, www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2254-related-articles/related-articles-402/3784-dj4021.html.


思春期以降に流行性耳下腺炎にかかると精巣炎になりやすい
思春期以降の男性が流行性耳下腺炎に罹患すると、約30%で精巣炎を合併します。男性不妊となるケースも存在するので注意が必要です。1歳以上で任意予防接種を受けることができます。しっかり予防したいものですね。