2018-a045 筋緊張について正しいのはどれか。




1. 末梢神経障害で亢進する。
2. 錐体路障害では変わらない。
3. 錐体外路障害で鉛管様となる。
4. 小脳障害で弛緩する。

 


2018-a045 筋緊張について正しいのはどれか。

1. 末梢神経障害で亢進する減弱する(末梢神経障害 → 弛緩性麻痺 → 筋緊張原弱)
2. 錐体路障害では変わらない亢進する(中枢神経障害 → 痙性麻痺 → 筋緊張亢進)
3. 錐体外路障害で鉛管様となる。○ パーキンソン病=錐体外路障害 → 屈筋群と伸筋群の緊張亢進 → 筋固縮 → 鉛管様現象・歯車様固縮
4. 小脳障害で弛緩する。(小脳性運動失調では筋緊張の低下がある)

解答 3

考え方

まず、
・末梢性神経障害 → 弛緩性麻痺
・中枢性神経障害 → 痙性麻痺
これは確実に暗記してください。

中枢神経障害(錐体路障害)による痙性麻痺は、上肢は屈筋群、下肢は伸筋群が優位に筋緊張が亢進する状態となることにより、折りたたみナイフ現象が出現。体位はウェルニッケ・マン肢位となります。これは、錐体路と共に下行する下行性伝導路(錐体外路)の多くが、運動ニューロンに対して抑制性の信号を送っていますが、錐体路が障害を受ける際には、ほとんどの場合で錐体外路も障害を受けるため、脊髄前角に対する不必要な反射を抑制する信号が来なくなります。そのことにより、脊髄が本来もつ伸張反射の経路が過敏に興奮し、痙性が出現すると考えられます。

一方、末梢性神経障害では弛緩性麻痺が出現します。これは筋細胞への収縮命令が全く来なくなることを意味します。

その上で、パーキンソン病では屈筋群と伸筋群の両方が緊張亢進することを理解してください。だから上肢を他動的に曲げようとしたときに、鉛管を曲げる時のような抵抗があるのです。

参考)東洋療法学校協会編, 臨床医学総論 第2版; p.132(運動機能検査 – 筋肉の異常 – 筋萎縮)
参考)東洋療法学校協会編, 臨床医学総論 第2版; p.133(運動機能検査 – 筋肉の異常 – 筋トーヌスの異常)
参考)東洋療法学校協会編, 臨床医学各論 第2版; p.252(神経疾患 – 基底核変性疾患 – パーキンソン病)


不適格問題?
うーん。この問題微妙じゃないですか?確かに選択肢3は、パーキンソン病は錐体外路障害で鉛管様現象が出現しますが、錐体外路障害の全てで鉛管様現象がでることはありません。また、小脳障害による小脳性運動失調では筋緊張の低下が主症状のひとつとして上げられています。まあ、国家試験も教科書も論文も。全て人が作っているものなので、時に微妙な出題があったりします。この問題は不適格問題であるということを確認するためにいろいろ調べる過程がとても勉強になったりするものですが。

正式回答では問題45の解答は3のみになっています。


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