1. 噴門には括約筋がある。
2. 小弯は肝臓に接する。
3. 大弯には大綱が付着する。
4. 最内層の筋は輪走筋である。
2018-a022 胃について正しいのはどれか。
1. 噴門には括約筋がある。幽門
2. 小弯は肝臓に接する。接しない
3. 大弯には大綱が付着する。
4. 最内層の筋は輪走筋である。斜線維
解答 3
胃の構造
- 噴門:胃の入り口(T11左側)。
- 幽門:胃の出口(L1右側)。
- 胃底:噴門の左側で、噴門より上部の部分。
- 胃体:胃の中央部分。
- 幽門部:幽門に近い部分。
- 幽門管:幽門の手前3cmほどの管状の部分。
- 幽門洞:角切痕より右側、幽門管の手前の膨張部分。
- 小弯:胃の弯曲のうち、右上方、肝臓に面する小さい弯曲。
- 角切痕:小弯側で角度が急に曲る部分。
- 小網:胃の前後をおおう腹膜が合わさり、小弯より肝臓に達したもの。
- 大弯:胃の弯曲のうち、左下方の大きい弯曲。
- 大網:胃の前後をおおう腹膜が合わさり、大弯より腹部内臓の前面に垂れ下がったもの。
胃壁の組織構造
- 粘膜:単層円柱上皮
- 筋層:3層の平滑筋
- 内層:斜線維
- 中層:輪走筋
- 外層:縦走筋
- 漿膜(腹膜):胃は腹膜内器官。胃の前後を覆う腹膜は合わさり小網と大網に連続する。
参考)東洋療法学校協会編, 解剖学 第2版; p.77-79(消化器系 – 胃)
参考)東洋療法学校協会編, 解剖学 第2版; p.87-88(消化器系 – 腹膜)
噴門括約筋はないの?
臨床用語、特に逆流性食道炎の原因として、下部食道括約筋がゆるんでしまうことによって、胃液が食道に逆流するという説明がなされます。この下部食道括約筋は時に、噴門括約筋と言われることがあります。ですが解剖学として見た場合、噴門には括約筋構造は見られないと考えます。
胃から食道への逆流防止機構として、解剖学講義第3版では以下があげられています。
- 食道下部の筋層は常に緊張していて、蠕動運動で食塊が運ばれる時のみ反射的に弛緩する。
- 噴門と胃底との間の噴門切痕が、胃が充満した際に圧される。また噴門では粘膜が弁のように突出している。
- 胃の筋層の斜線維が噴門口を左側からU状に取り囲み、噴門を閉じるのに役立っている。
- 腹腔は胸腔に比べて内圧が高く、食道下部は圧されて閉ざされる。横隔膜の食道裂孔を取り囲む筋線維も食道を圧する。
典拠)伊藤 隆, 解剖学講義 第3版; p.340(胃から食道への逆流防止装置)
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