免疫複合体 (immune complex), 抗原抗体複合体 (antigen-antibody complex)
免疫複合体は、抗原と対応する抗体が結合してできる複合体。抗原が過剰なときに組織沈着を起こし、補体の活性化や血小板凝集により炎症反応を惹起する。 免疫複合体が関与する疾病 全身性エリテマトーデス systemic lupu…
免疫複合体は、抗原と対応する抗体が結合してできる複合体。抗原が過剰なときに組織沈着を起こし、補体の活性化や血小板凝集により炎症反応を惹起する。 免疫複合体が関与する疾病 全身性エリテマトーデス systemic lupu…
概念 全身性エリテマトーデスは、抗核抗体などのさまざまな自己抗体の産生によって細胞の破壊あるいは機能障害が生じ、さらにおびただしい量の免疫複合体が産生されて組織に沈着することによる全身的な多臓器病変がもたらされる疾患であ…
蝶形紅斑 (butterfly rash) は、全身性エリテマトーデス (systemic lupus erythematosus, SLE) に特徴的な症状。顔面部、とくに両頬を中心とした左右対称にできる赤い発疹ができ…
概念 全身性硬化症(全身性強皮症)は、指先(四肢末端)に始まる皮膚の硬化と血管病変(レイノー現象と小血管の循環障害)を主徴とした病変が、内臓を含む全身(皮膚・消化管・肺・心筋など)結合組織に広がる慢性炎症性疾患。皮膚の硬…
概念 胃切除後の患者において、食後に見られる症候群をいう。 病態生理 もともと幽門には胃内容物を適量ずつ腸に送り出す機能を持っている。幽門を含めた胃切除術を施行するとこの機能が消失するので、摂取された内容物は胃から即座に…
1. 摂食障害 2. 双極性障害 3. パニック障害 4. 夜驚症 2018-a068 下剤の乱用が最も高頻度なのはどれか。 1. 摂食障害 ○ むちゃ食い → 体重を増加させないために下剤の乱用 2. 双…
概念 食行動が正常でない状態。多くは精神病理的背景を持つ。 摂食障害は大きく拒食症、過食症に分類される。 分類 神経性食欲不振症 神経性食欲不振症では体重が期待される値より少なくとも15%以上下まわり、肥満への恐怖を伴な…
ビタミンA欠乏症 捍体の視物質であるロドプシンはopsinとretinalの複合体であるが、retinalはビタミンAから生成される。このためビタミンAの欠乏は、夜盲症などの視覚障害をもたらす。ビタミンAは脂溶性。 ビタ…
概念 冠動脈の循環障害に起因する高度の虚血により、心筋組織が不可逆的細胞障害(壊死)をきたした病態をいう。 分類 急性心筋梗塞 陳旧性心筋梗塞 貫壁性心筋梗塞 非貫壁性心筋梗塞 non-Q-wave 壊死巣が心内膜から心…
Cペプチドはインスリン生合成過程の副産物で、インスリンの前駆体であるプロインスリンの分解によりインスリンとCペプチドが同じ分子数産生される。 インスリンと分泌動態がおおむね平行するが、血中半減期はより長く、体内で消費され…
概念 ランゲルハンス島におけるインスリンの合成、インスリンの分泌能の低下、あるいはインスリンそのものの異常とインスリンの作用不全などが原因となって、インスリン作用が欠如もしくは減少した病態。 診断基準 空腹時血糖が 12…
概念 慢性気管支炎は気道の慢性炎症によって気管支の分泌物が過剰となり、咳嗽と喀痰を長期間持続する病態をいう。 fletcherの定義 2年以上連続して少なくとも冬季3ヶ月間ほとんど毎日咳および痰が見られること。呼吸細気管支…
概念 肺気腫とは、病理学的に「肺胞壁の破壊による、線維化を伴わない気腔の拡大」を呈する慢性閉塞性肺疾患である。気管支拡張症と異なり、終末細気管支よりも遠位(つまり呼吸細気管支と肺胞)を病変の主座とする。炎症による気道の狭…
概念 タバコの煙を中心とする有害物質の吸入で肺に炎症が引き起こされ、不可逆的な気流制限が進行性に起こる病態をいう。障害部位が気道中心の場合を慢性気管支炎、肺胞中心の場合を肺気腫と分類しているが、両疾患の特長を有する症例も…
概念 流行性耳下腺炎はRNAウイルスであるムンプスウイルスの飛沫感染による耳下腺炎で、「おたふくかぜ」と俗称される。耳下腺以外の臓器にも感染するがウイルスの増殖力が強くないので多くは不顕性感染に終わるが、稀に精巣炎や髄膜…
概念 風疹はトガウイルス科に属するRNAウイルス感染による急性発疹性感染症で、三日麻疹とも呼ばれる。好発年齢は5歳から14歳までで、飛沫感染し終生免疫を獲得する。妊婦が初感染を起こすと胎盤を通じて胎児に感染し、心奇形や精…
概念 ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus, HIV)が免疫細胞に感染することにより、免疫不全を起こす疾患。HIVは細胞膜表面のCD4抗原をレセプターとするので、ヘルパーT細胞、…
概念 グラム陰性短桿菌である百日咳菌 bordetella pertussis の感染による急性気道感染症である。三種混合ワクチンの対象疾患の一つである。 百日咳に対する抗体は胎盤を通過しにくいため、ワクチンをうっていな…
概念 壁側胸膜と臟側胸膜の間の胸膜腔内に空気が侵入したために肺が虚脱した状態をいう。 分類 緊張性気胸 肺に孔があいており、その孔が吸気時に開き呼気時に閉じるために空気が胸腔内に蓄積し続け、ついには胸腔内圧が大気圧を上回…
概念 乳管上皮由来の癌であり、日本では近年、増加傾向にある。 乳腺はエストロゲンの作用により増殖するため、乳腺細胞から発生する癌の多く(約60〜70%)がホルモン受容体をもち、エストロゲンに曝されることにより増殖が促され…
概念 日本では悪性腫瘍の中でもっとも頻度が高い。 症状 喀血や血痰を初発症状とすることが多い。 検査所見 胸部X線所見 境界不鮮明で周囲に浸潤する結節影として映ることが多い。 喀痰細胞診で異型細胞の検出 1度だけの検査で…
概念 外力によって関節が正常範囲以上の運動を強制されて、関節面相互の位置関係が失なわれ、両者が完全に接触を失なったもの。 種類 外傷性脱臼 外力に起因する脱臼であり、関節包の損傷を伴ない、関節部変形が必発である。 病的脱…
脊柱管狭窄症 脊柱管狭窄症は、脊柱管周辺の骨および軟部組織の肥厚によって脊柱管が狭小化するため、脊柱管内の神経の圧迫症状を呈したものの総称。 原因 加齢による退行変性 椎間関節肥厚 黄色靭帯の肥厚 後縦靭帯の肥厚 脊椎す…
概念 椎間板の退行性変性により、椎間板の一部が後方または側後方に脱出して圧迫症状を来たす。腰椎での好発部位は、L4-L5, L5-S1である。好発年齢は20∼30代の男性であり、スポーツや重量物挙上などの負荷が契機となっ…
概念 骨芽細胞の悪性腫瘍である。骨組織に原発し、腫瘍細胞が類骨ないし骨組織を形成する。成長の著しい長管骨、特に膝を中心とした長骨や上腕骨の骨幹端に好発する。なかでも大腿骨遠位骨幹端と脛骨近位骨幹端からの発生が最多である。…
概念 骨髄腫とは、形質細胞が単クローン性に増殖する腫瘍性疾患であり、単一の免疫グロブリンをモノクローナルに産生し分泌する。B細胞が分化の最終段階で腫瘍化したもので、骨髄内に限局しながらも多発するために多発性骨髄腫と命名さ…
概念 幼児の骨盤や大腿骨の骨幹部に好発する悪性骨腫瘍。組織学的な起源は不明。 症状 初発症状は疼痛であるが、しばしば発熱や白血球増多などの全身症状を合併するのが特徴。 検査所見 X線所見 造骨性変化 骨膜反応 codma…
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