1. 抗菌薬
2. 分子標的薬
3. 気管支拡張薬
4. 抗アレルギー薬
2018-a060 肺癌の治療で使用するのはどれか。
1. 抗菌薬
2. 分子標的薬
3. 気管支拡張薬
4. 抗アレルギー薬
解答 2
原発性肺癌primarylungcancer
概念
原発性肺癌とは「気管や気管支を含む上皮性肺組織より発生する悪性新生物」である。
病因
- 喫煙
扁平上皮癌と小細胞癌の危険因子となる。喫煙係数 Brinkman Index が400以上だと特に肺癌のリスクが高まる。 - アスベスト
検査所見
- 胸部X線所見
- 腫瘤による結節影
- 無気肺
特に肺門型の腫瘍は気管支を閉塞して、その末梢を無気肺にする。 - 縦隔の異常
- 胸膜の巻き込み像
- 骨転移
- extrathoracic nonmetastatic manifestation
転移臓器
肝臓、副腎、骨などに多い。
治療
- 小細胞癌の場合は化学療法+放射線療法
- 小細胞癌以外では根治外科手術, 化学療法 (分子標的薬含む)+放射線療法
非小細胞癌では、化学療法が効果を認めるのは30〜40% 程度である。化学療法は副作用の強い薬剤中心から、外来治療も可能な、副作用の軽い薬剤へと移行してきている。現在、経口薬で作用機序が従来の抗癌薬とまったく異なる分子標的治療薬(ゲフィチニブ, エルロチニブ)が発売され、薬剤性間質性肺炎の合併が多い欠点はあるが、その効果が注目されている。
参考)東洋療法学校協会編, 臨床医学各論 第2版; p.75-79(呼吸器疾患 – 肺癌)
参考)分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔EGFR-TKI〕)解説, 日経メディカル
イレッサ訴訟
この問題で言う肺癌の分子標的薬のひとつとしてアストラゼネカ社のイレッサがあります。イレッサの服用で主に間質性肺炎の副作用で死亡した遺族らが国とアストラゼネカ社を提訴いたしました。2013年に国と製薬会社の責任を否定した原告敗訴の判決が確定してます。遠い世界の出来事としてではなく、医療に携わる・携わろうとする者であれば、一度考えてみる価値のある歴史だと思います。次の問題
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