1. 胆石嵌頓
2. 肝細胞破壊
3. 赤血球寿命短縮
4. 側副血行路形成
2018-a073 「60歳の女性。主訴は黄疸。発熱と腹痛は認めない。貧血と間接ビリルビンの上昇が認められ、腹部超音波検査では脾腫と胆石を認めた。」黄疸の原因として最も考えられるのはどれか。
1. 胆石嵌頓 → 閉塞性黄疸 (肝後性黄疸) → 直接ビリルビン↑
2. 肝細胞破壊 → 肝細胞性黄疸(肝性黄疸)→ 直接ビリルビン↑
3. 赤血球寿命短縮 → 溶血性貧血(肝前性黄疸)→ 関節ビリルビン↑ ○
4. 側副血行路形成 黄疸と関係なし
解答 3
黄疸の原因は主に3種類
黄疸の分類 | 溶血性黄疸 (肝前性黄疸) |
肝細胞性黄疸 (肝性黄疸) |
閉塞性黄疸 (肝後性黄疸) |
---|---|---|---|
原因疾患 | 溶血性貧血 | 急性肝炎, 肝硬変 | 胆石症, 胆嚢炎 |
血中検査値 | 間接ビリルビン↑ | 直接ビリルビン↑ | 直接ビリルビン↑ |
尿中検査値 | 尿中ビリルビン排泄 (-) 尿ウロビリン体↑ |
尿中ビリルビン排泄↑ 尿ウロビリン体↑ |
尿中ビリルビン排泄↑ 尿ウロビリン体 ↓ |
この問題のポイントは「貧血と間接ビリルビンの上昇」です。また溶血性黄疸では赤血球の破壊が脾臓さかんに行われるため脾腫をきたします。この問題文の「胆石」は症状とは直接関連がありません。
参考)東洋療法学校協会編, 臨床医学総論 第2版; p.57(全身の診察 – 色調の変化 – 黄疸)
参考)東洋療法学校協会編, 臨床医学各論 第2版; p.224-225(血液・造血器疾患 – 赤血球疾患 – 溶血性貧血)
間接ビリルビンとは?
赤血球の破壊されるとヘモグロビンがでてきます。ヘモグロビンはヘムとグロビンに分解され、このヘムよりビリルビンという黄色い色素が作られます。脾臓でヘムより作られたばかりのビリルビンは水に溶けないタイプのビリルビンなので、アルブミンと結合することにより血液中を運搬され肝臓に運ばれます。肝臓でグルクロン酸という分子をくっつけられることにより(グルクロン酸抱合)水に溶けるタイプのビリルビンとなります。
血液検査でビリルビン濃度を測る時に、グルクロン酸抱合を受けた水に溶けるタイプのビリルビンは直接濃度が測れるので「直接ビリルビン」、水に溶けないタイプのビリルビンは一手間かけないと濃度を測定できないため「間接ビリルビン」と呼ばれます。
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